12/21/2015

距離

気持ちを表現するというのは
ものすごく勇気がいること

自分の心のなかをのぞいて、
光も届かないような奥底へと
旅をしないといけないから

そこで見つけるもののなかには、
決してきれいなものだけではなくて、
忘れてしまいたいくらい汚いものもある

そこからひとつひとつ言葉を選んで、
心のかけらを言葉に変換していく
だから言葉は自分の心以外の何物でもない

言葉にして綴るときはいつも
心を完全に開いているとき

その言葉たちが、小さな心たちが、
どう受けとめられるかなんてわからない
きれいだと言ってもらえるか、
汚いと思われるか、
たとえどう思われても
ただ相手を信じて正直に伝えるしかない

伝えることそのものが
ひとつの大きな愛情表現だから

だって、自分の心のなかの
どうしようもなく濁った部分なんて
見たくもないし、忘れてしまいたい
本当なら隠してしまいたい

そんなものでさえ言葉にしていくのは
とても勇気がいるから

どうでもいい相手なら
そんなつらいことは避けて
何もなかったかのように振る舞う

大切だからこそ
そんなつらいことでもしようと思える
伝えるときに痛みは増す
すっきりすることなんてない

相手がどんな意見をもっていても、
それが自分の信じることと正反対でも、
正直に伝えようとしてくれたことが
とてつもなくうれしい
わたしは、そう思う

だから、精いっぱい伝えようとしてくれて
どうもありがとうという気持ちで
胸がいっぱいになる

伝えようとするというのは
相手から自分への愛情表現だと
そう信じているから

心を開いて傷つくことがあっても
伝えることでわかりあおうという
覚悟だと思うから

言葉という形となって
相手へとまっすぐ向かう心が
どれだけ尊いものか

心を開いて言葉にしていくことが
どれほどの意味をもつかわかっているから、
その過程でどれだけの覚悟が必要だったか、
そのことを思えば、感謝の気持ちしかもてない

心を開いてくれてありがとう
伝えようとしてくれてありがとう
伝わると信じてくれてありがとう
わかりあおうと一歩踏み出してくれてありがとう

いろんな形のありがとうが
心の奥から湧きあがってくる

心の奥底の仄暗いものを見つめた
相手の勇気によって
受け取る者の心の奥底が
感謝の気持ちで洗われる

たとえどれだけ忙しいときでも、
心を開いてくれたことを思うと、
そんな自分の余裕のなさですら
きれいに消えてしまうのを感じる

大切に受けとらないと、と思う

ただこれはわたし個人の考えであって
他のひとが同じというわけではない
邪魔なものとしてとらえるひとだっている

そこに込められた気持ちも、
傷つくことがあっても、と
心を開いた勇気も、
大切にされないことだってある

言葉が大事にされないということは
心を大事にされないということ

でも、嘆いても仕方がない
感じ方が違うのだから

こちらの心が開いたことにこたえるように
心を開いて接してくれるひとだっている
言葉にすることがどれだけこわいか
理解して感謝してくれるひともいる
要らないと怒るひとだっている

ただ、それだけのこと